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企画展『民ヲ親ニス 杉山家四代の軌跡』開催中[2019年2月2日(土)~2019年5月30日(木)]

幕末から明治、大正そして昭和へ。

先見と才能で激動の時代をリードした

杉山家四代の軌跡

杉山家四代(灌園、茂丸、夢野久作、龍丸)は、幕末から明治、大正そして昭和の時代に、その卓越した先見性と才能を持って活躍し、日本だけでなく世界にも貢献、影響を与えました。その基本にあるのが灌園の教えともいえる「民ヲ親ニス」。また茂丸が遺したことば「アジアの人のために働け」は久作や龍丸の生きざまに大きく影響しています。

本企画展では、筑前町にもゆかりのある杉山家四代が遺した足跡を当時の貴重な書簡・写真・原稿や書籍などを通じて紹介します。

 


「在親民」は中国・儒教の教書『四書五経』の一つである『大学』の一節。

朱子学では「民ヲ親(アラタ)(新)ニスルニ在リ(上位下達で民を管理すること)」

陽明学では「民ニ親(シタ)シムニ在リ」と解釈されている。

杉山家では「民ヲ親(オヤ)ニス(民を自分の親と思って面倒見ること)」と捉え家訓のように受け継がれてきた


 

■杉山灌園  天保3(1832)年頃~明治35(1902)年

幕末、黒田藩諸藩応接役であった灌園(三郎平誠胤)は、大政奉還後、藩主・黒田長溥公に意見し、謹慎後、御役御免となる。

明治2(1869)年に芦屋(遠賀郡芦屋町)に移住後、明治11(1878)年から明治23(1890)年まで、夜須郡二村(筑前町)で敬止義塾を開く。

 

■杉山茂丸  元治元(1864)年~昭和10(1935)年

灌園の長男。伊藤博文、山縣有朋や桂太郎など幅広い人脈を持ち、日露戦争にも深く関わり明治から昭和初期にかけて政界に大きな影響力を持っていた。日本興業銀行、台湾銀行や南満州鉄道などの創設にも携わる。九州鉄道敷設、博多湾築港など九州の産業開発にも尽力。義太夫、茶道など日本文化に造詣が深く、相撲界の振興にも力を注いだ。

 

■夢野久作  明治22(1889)年~昭和11(1936)年

本名、杉山直樹(のちに泰道)は、「海外に紹介すべき日本の近代作家」(文化庁)にも選ばれた小説家。代表作は三大奇書の一つとされる「ドグラ・マグラ」。作品は「瓶詰地獄」「犬神博士」など多数。茂丸の長男。杉山農園を経営。九州日報記者を務めながら小説家として活躍。

 

■杉山龍丸  大正8(1919)年~昭和62(1987)年

龍丸は戦時中、フィリピンで米軍に「幻の戦闘機隊」と恐れられた飛行第31戦隊整備隊長。

戦後は全ての私財を投げ打ってインドの飢餓を救うための緑化事業を行った。ユーカリの木はインドの国道約470kmに植林された。砂漠緑化事業にも尽力、インドでは「グリーンファーザー」と呼ばれている。

 

 

■期間

2019年2月2日(土)~2019年5月30日(木)

■時間

開館時間に準じる

■会場

平和記念館内2階「企画展示コーナー」

 

■本展のチラシはこちらへ